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折り方の図

平たい紙を折って別の何ものかのかたちをつくるという、3次元のものの時間的変化を、つまり4次元の事象を、2次元の平面で説明しているのが「折り図」です。

この2次元であることの制限の中に、伝えにくさがあるのですが、どう表現するか考えていると、ああしたらどうかな、こうしてみたら、と思いは広がり、面白さは尽きません。

また、折り方のプロセスには複数の道筋があります。
どれがきれいに折れるか、どれが容易か、どれがわかりやすいか、考え始めると、どのルートを採用するか、結構悩みます。

そんなわけで相変わらず、紙を折ったり開いたり、折り図を考えるのにまあまあたいそうな時間がかかっています。


本に掲載した旧・折り図

以前の本に掲載した折り図は、最低限必要な必須の指示のみが書かれた「設計図」のようなものです。

たとえば左の『基本折りA』ですが、これはシンプルに概念を示した図で、1⃣から4⃣に至る折り方だけでも、実際には何通りかあります。

そして1⃣から4⃣のかたちを実現するためには、そのあいだのプロセスをどう折っていくか、具体的に動きをイメージすることができなければ、そこで止まってしまいます。

そのため、愛読者カードには
「折り方の説明を見てもよくわかりません」
「折り方をもう少し詳しくしてほしい」
という声もありました。

その一方で
「折り方のイラストはとてもわかりやすく、簡単につくることができました」
「子どもには折り方の説明が難しく思いましたが、だいぶ慣れて、ひとりでも折れるようになりました(子7歳)」
というメッセージもありました。

いろいろなステージの方がいらっしゃるのだな、と思いました。


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今回、本のページ数や紙面の制約がないので、「手順図」と呼ぶのがふさわしい、折り順にそった折り図を新たに描いてみました。

以前の本の折り図では「よくわからない」と思われた方でも、今度は、無事に完成できるのではないかと思います。

『基本折りA』も、かつては4図だったところ、今回は20図となりました。

(これとは異なる折り方も、もちろんあります。やりやすい折り方でつくっていただければよいと思います。)

ただ、「手順図」にも短所はあります。
ていねいな折り図では、あまりに些末な処理が続いたりすると、ときに、いま何をしているのか、どこら辺をつくっているのか、わからなくて、不安になってしまうことがあります。
そういう迷子の気持ちにならないよう、「足をつくります」とか、「しっぽになる部分です」とか、言葉を添えました。

また、迷子になったら、以前の本に掲載された旧折り図の、「設計図」を見て、全体を俯瞰し、いまどこを折っているのか確認していただければと思います。

何事も戯れているうちに身につくもの。めげずに、あれこれ試していただければと思います。

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4 折り方の記号

紙を折るときの、様々な行為や動作について名前をつけ、
図に示す記号を決めています。

折り方の記号